ApplePencilはジョブスが生きていてもいずれ出たよねって話
ApplePencil、でたね。
で、スタイラスってジョブスがめちゃくちゃ反対していたやつじゃん、みたいな話がちらほらあるけど、
そういうことじゃないじゃん、ってことを書こうとおもう。
別にジョブスの意思に反しているわけじゃないし、生きていてもいずれ出たよ。
まず、これってスタイライスに否定的だったスティーブ・ジョブスが2010年に初めてiPadを紹介した時に「スタイラスなんてボツ!」と語ったことに矛盾してますよね。*1
Apple Pencilが登場。スティーブ・ジョブズならどう思うんだろう? : ギズモード・ジャパン
ジョブスがスタイラスを否定した時ってのは、PDAとかああいうようなモバイル端末があったけど、指じゃなくてスタイラスじゃないと操作できなかったので、それって直感的じゃないし、スタイラス紛失したらデバイスが操作できないってどういうことだ?!ってことだったと思うんだよね。
大事なのは、ジョブスは常に「直感的に操作できる」ってことを大切にしてたってことだ。
直感的な操作、という意味では、当時のスタイラスなしではモバイル端末が操作できない状況を考えれば、くそだって言いたくなるのもわかる。
それで、指先で操作するってのは、難しい技術で、他の企業ではまだできていなかったんだから、そりゃ発表も温度高めになるよね。
で、今回のスタイラス、ApplePencilってのは、どうかな。
指先で絵を描くよりは、遥かに直感的じゃないかな?
ぶれたりしないし、狙ったところに細かくかけるし。(ちゃんと期待する動作すれば)
だから、ApplePencilは別にジョブスの意思に反しているわけじゃないし、ジョブスが生きてたっていずれでてたよ。
「ほら、こんなに楽に絵が描けるようになったぞ、よろこべ」
ってな具合でさ。
で、こっからは余談だけど、
こういう「〜はだめだっていってたから」とかの、その表層的な言葉だけとらえて、ずっと守っていくのって、相当役にたたないよね。スタイラスを使わない、っていうジョブスの言葉を守ったところで、直感的なインターフェースを提供する*2、っていう、その背景にある意思は守れないわけで。
でも、生きているとそういう表層的なことにとらわれちゃったりすることがままあるから、気をつけていかないとな。
*1:この後に、「Apple Pencilは完全にジョブスのアドバイスに反している、というわけではないんですが」って続くんだけど、その原文が面白い。
"The Apple Pencil isn’t exactly an aluminum middle finger to the advice of Jobs"
- Apple Pencil: The Stylus Steve Jobs Warned Us About
*2:当然その背景にももっと意図があるんだろうけど